【 犬 】
咳をする 吐くような仕草をする ゼーゼー・ガーガーいう
わんちゃんの咳を聞いたことがありますか?
犬の咳は人の「コンコン」という咳よりは、「ゼーゼー、ガーガー」や
「ゲッ、ゲッ、ゲエ!」のように吐き気があるかのように聞こえるものです。
そのため頻度が少ないと聞き逃がされていたり、飼主様が咳だとは思っていないことがあります。
心臓疾患
犬に起こる心臓疾患で最も多いのは「僧帽弁閉鎖不全症」という病気です。高齢の小型犬に多く見られる病気です。心臓の中にある「僧帽弁」という弁がうまく閉じなくなってしまうことで、血液が逆流しポンプとしての心臓の働きが低下してしまう病気です。心臓は頑張って血液を送り出そうとして心臓全体が大きくなり、それが気管を圧迫して咳が出たり、肺に水がたまる(肺水腫)ことにより咳が見られるようになります。
気管虚脱
ゼーゼー、ガーガーとアヒルの鳴き声のような咳が特徴です。気管と呼ばれる口から肺に空気を送る管が、様々な原因で狭くなってしまうため、このような咳が出ます。犬種としてはヨークシャー・テリアやポメラニアンに多く見られます。
ケンネルコフ
「犬の風邪」とよく言われるもので、一般に「頑固な咳」を特徴とする呼吸器の病気です。ひどくなるとくしゃみや鼻水、黄色い目やになども見られるようになります。
ウイルス感染以外にも、細菌、真菌の感染によっても起こります。特に子犬で免疫力の弱いわんちゃんに多く認められます。
フィラリア症
ご存じの方も多いと思いますが、犬糸状虫(フィラリア)という虫が心臓や肺の血管に寄生する病気です。フィラリアの子虫を持っている蚊に刺されることによって感染します。フィラリアは成虫になると20センチほどの細長いそうめんのような虫に成長し、心臓や血管に寄生して血液の流れを悪くしたり、アレルギー性の肺炎を起こすこともあります。フィラリアの予防薬を定期的に投与することで予防することが可能です。
このように「犬の咳」といっても、その原因は様々です。原因や症状によっては、すぐに治療をしないと致命的な場合もあります。
「これは咳なのかな?」と迷われる場合は、携帯などで動画を撮ってご持参いただくと、診察室でわんちゃんが咳をしなくても診断が可能になります。ぜひご相談ください。